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小泉重田小児科トップ小児科・アレルギー科インンフルンザの治療薬(2013-2014)

小児のインフルエンザ治療薬はタミフル、リレンザ吸入薬に加えて、イナビル吸入薬、また、重症患者さんにはラピアクタ点滴薬の4種類が使用できます。シンメトレルは耐性ウイルスを誘導しやすいので第一選択薬にはなりません。
小泉重田小児科では薬のメリット・デメリットと、お子さんの年齢を考慮して治療薬を選択します。

インフルエンザは普通のかぜと違い、肺炎や中耳炎などの合併症を起こし易く、また、まれにインフルエンザ脳症という重篤な合併症を認める事があります。新型インフルエンザ(ブタ由来)は鳥インフルエンザほど強毒性ではありませんが、感染力が強く、年長児では急速に呼吸障害にいたることがあるのが特徴です。


1)子どものインフルエンザ治療薬

2012−2014シーズン 小泉重田小児科の治療方針:
 インフルエンザと診断された場合には、インフルエンザのお薬(抗ウイする薬)を希望されるかどうかを、保護者の方とよくご相談をします。
 最近は「インフルエンザの薬は、熱の出る期間を24時間ほど短くするだけで、インフルエンザ脳症の予防には役立たない」という事実を良くご理解戴いている保護者の方が増えてきました。ご希望の方には漢方薬の「麻黄湯」を処方いたします。

抗インフルエンザ薬をご希望の方には、希望するお薬を選んで戴いています。内服薬のタミフルを希望されるか、吸入薬のリレンザまたはイナビルを希望されるかを選択していただきたいと考えております。ラピアクタ点滴薬は入院を要する患者さん向けと考えています。シンメトレルは当院では原則使用しておりません。

 

 タミフル   リレンザ   イナビル   ラピアクタ 
内服薬 吸入薬 吸入薬 点滴薬
0歳〜1歳未満 × × ×
1歳〜5歳歳未満 ×
5歳〜10歳未満
10歳〜20歳未満
20歳以上
        
◎:推奨 ○:使用可 △:勧められない ×:使用不可 ●:入院後に考慮

年齢による抗インフルエンザ薬選択の目安(当院の方針)
0歳〜1歳未満:抗インフルエンザ薬は使用しません。
1歳〜5歳未満:吸入薬のリレンザとイナビルは使用できません。タミフルを第一選択と考えます。
5歳〜10歳未満:吸入薬のリレンザを第一選択と考え、吸入ができなければタミフルの使用を考慮します。
10歳〜20歳未満:リレンザの使用を考慮します。タミフルは厚生労働省からの連絡に従い原則として使用しません。
20歳以上:タミフルカプセル、リレンザ吸入薬、イナビル吸入薬の使用を考慮します。


// インフルエンザに罹った全ての患者さんに投与する薬ではありません

 タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ点滴薬などの抗インフルエンザ薬は、患者さんの年齢や状態を見極めて使用することになっています。抗インフルエンザ薬の効能書きにも「抗ウイルス薬の投与がインフルエンザ感染症の全ての患者に対して必須ではないことを踏まえ、患者の状態を十分観察した上で、使用の必要性を慎重に検討すること。」と明記されています。




// タミフル(内服薬)

 A型インフルエンザおよびB型インフルエンザに有効な抗ウイルス薬です。粉薬とカプセルがあり、1歳以上のお子さんから使用できます。発売当初は製薬会社でも在庫切れになるくらい需要がありました。ところが、2006/2007シーズンに見られた異常行動の報道や、厚生労働省の緊急安全情報発出などにより、使用上の注意が厳しくなり、患者さんからも敬遠されているきらいがあります。
 現時点では、タミフルは
「9歳未満は使用できるが、使用した場合には異常行動の恐れがあることを家族に説明すること」とされています。注意事項を守って服薬すれば、1歳から9歳までの子どもや、成人(20歳以上の方)には処方できます。
 一方で、タミフルには
「10代の患者さんには原則として使用を差し控えること」という指示があります。しかし、10歳代の方に使用できない薬ではありません。「10歳以上の未成年は、合併症、既往歴などからハイリスク患者とされる場合を除いて原則として使用を中止」する事とされています。
 2009/2010シーズンは、新型インフルエンザを中心に、多くの方がインフルエンザに罹りタミフルの流通が悪化しました。特に小児用のドライシロップの国内在庫が逼迫したため、タミフルカプセルの中身をばらして小児に投与することが厚生労働省から認められました。今シーズンはタミフルの流通悪化は無いと考えられますが、やむを得ず、10代の患者さんにもタミフルを処方する事態も予想されます。
 ・タミフル服用中の方への注意事項はこちら
 ・厚生労働省緊急安全情報発出:タミフル服用後の異常行動について
・中外製薬の緊急安全性情報
 ・厚生労働省報道資料:10歳代のタミフル服用後の転落・飛び降り事例に関する副作用報告について



// リレンザ(吸入薬)

 5歳以上のお子さんの第一選択薬
 リレンザは吸入する抗インフルエンザ薬です。この薬はご自宅でパウダー状の薬を自分で口から吸入する薬です。5歳以上のお子さんで、上手に吸入できる方に使用します。A型インフルエンザ、B型インフルエンザ両方に効果があります。薬の性質上、病医院で処方され吸入方法の指導を受けたら、その場で1回目のリレンザ吸入を行うことをお勧めします。
 上手に吸入できるかどうかは、インチェックという簡単な医療器具で調べることができます。当院では事前にインチェックを行って確実に吸入できるお子さんにのみリレンザを処方しています。
インチェックについて詳しく



// イナビル(吸入薬) 平成22年10月19日発売

1回の吸入で治療が終了します。
 イナビルはリレンザと同様、吸入する抗インフルエンザ薬です。この薬は1回の吸入でインフルエンザ治療が終了します。上手に吸入できるように、医院で吸入してから帰宅していただくようにしております。A型インフルエンザ、B型インフルエンザ両方に効果があります。
 10歳未満のお子さんは1容器(2吸入が1回分)
 10歳以上のお子さんは2容器(4吸入が1回分)

 吸入する力があるかどうかはインチェックという簡単な医療器具で調べることができます。しかし、吸入する力があっても上手に吸入できないと治療効果が十分発揮されません。特に10歳未満のお子さんは2吸入で治療が終わってしまうため、吸入タイプの抗インフルエンザ薬をご希望の場合は当院ではリレンザをお勧めしています。

第一三共株式会社「インフル・ニュース」サイトで、イナビル吸入の様子を動画で見られます。
参考:本物は見た目よりずっと小さい容器です




// ラピアクタ点滴薬 平成22年10月27日小児適応追加

 静脈から全身に投与する抗インフルエンザ薬です。
今シーズンから小児に使用可能となりました。点滴路の確保が必用になりますが、急速に進行する重症肺炎やインフルエンザ脳症が疑われなどの入院加療が必用なお子さんに対して慎重に使用されることになるでしょう。
 当院で使用する場合は限定的で、重い基礎疾患を持つお子さんや、重症化しやすい重症心身障害のお子さんなどが適応になると考えています。
小児に対する投与は平成22年10月27日から保健適応になりました。



// シンメトレル 第一選択薬ではありません

新型インフルエンザ(豚由来インフルエンザA:H1N1)にはシンメトレルは耐性があるとの報告があったため、当院では現在処方しておりません。

 シンメトレルはタミフル発売前から使用されていたA型インフルエンザにのみ有効な抗インフルエンザ薬です。
 シンメトレルのメリット(利点)は薬の量が少なく内服しやすい事と、タミフルにような新薬ではなく、インフルエンザの治療以外に長期間使用されている実績がある事です。デメリット(欠点)は、B型インフルエンザには無効であること、長期投与により薬剤耐性インフルエンザウイルスの発現が懸念されていることです。
 シンメトレルはインフルエンザの治療以外には、パーキンソン病の治療や、脳梗塞の後遺症を改善する効果を期待して使用されています。
 タミフルが安定供給されるようになってから、
シンメトレルは抗インフルエンザ薬として使用される頻度が激減しています。その主な理由はシンメトレルの長期投与により薬剤耐性インフルエンザウイルスの発現が懸念されていることです。


2)抗インフルエンザ薬ではインフルエンザ脳症は予防できません

 インフルエンザ脳症はインフルエンザの合併症の中で最も危険な病態です。残念ながら、抗インフルエンザ薬を発症早期に服用しても脳症の発症を抑えることはできません。更に、厚生労働省の研究班がインフルエンザ脳症について専門的に研究していますが、今のところ脳症を早期に診断する決定的な検査は開発されていません。



3)解熱剤(げねつざい)を使ってはいけないのですか?

 いいえ。但し、インフルエンザの時に使わない解熱剤があります。
ボルタレンやポンタールなど、ある種の解熱鎮痛剤はインフルエンザには使用しないで下さい。特に、インフルエンザ脳症に罹ったお子さんに、ボルタレンを使用すると死亡率が高くなるとされています。
 一方、解熱剤を使わなければインフルエンザ脳症に罹らないという事ではありません。
 通常、小児科では「アセトアミノフェン」という解熱鎮痛剤が用いられます。アセトアミノフェンは坐薬・シロップ・細粒・錠剤と剤型が幅広いので、赤ちゃんから大人まで使いやすく、現在までの報告ではインフルエンザ脳症に罹ったお子さんが使用しても死亡率が高くなる事はありませんでした。
 更に大切なことは、どのような解熱剤でも安易に使用することは好ましくありません。赤ちゃんがお熱があると「何とかして楽にしてあげたい」という気持ちは察するに余りあります。そんな時、すぐに「解熱剤を!」と考えずに、まず、体温調節(室内の気温と着衣の適切化)を行い、水分摂取を促しましょう。普段から「かかりつけ医」に”解熱剤の使い方”を相談しておくと良いと思います
 インフルエンザは希に「インフルエンザ脳症」という、極めて重い合併症を発症することがあります。ところが、
インフルエンザ脳症の発症初期は診断が難しいのが現状です。ご心配の場合は速やかに医師の診察を受けて下さい。

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